その世界は栄光よりも美しい
「海」が好きだ。
世界が美しいのは、「海」があるからだと、物心ついた時からずっと思ってきた。
俺にとっての太陽は、空に輝いている丸いのじゃなく、視界に映る「山」なのだから。
それが、俺の全てと言えば大袈裟だが……いや、大袈裟じゃない。
とにかく、他の何物にも変えられないくらい、「空」が好きなんだ。
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五月、吹く風も夏めいてきた頃、グルーディンの港村の片隅に、一人の冒険者が居た。
「YoYoYo!!おはYO!!!」
彼の名はブギー、またの名をMC.SAITO
しがないラッパーをしている。
ぶぎ「今宵はブキメン明日はウギメン!俺の兄貴は奥歯が抜けメン! 街をあるけば視線を逸らされ スレ違えば大衆が引く(イェア)俺の体臭!(ヒュー)」
俺のリリックは常にヒップホップしていた、だがそんな俺のヒップホップを周りの奴らはまったく理解してくれなかった
村人「おい!さっきからうるさr…くさ…うっ…き…近所迷惑だからやめろ!ぶっ殺すぞ!!」
ぶぎ「ひぃ!!すいません!すいません!」
心無い住人からの弾圧、俺は心の中で村人をボコボコにしながらその場を後にした。
ぶぎ「くそ!なんで誰も俺のリリックを理解してくれないんだ!!」
周りの不理解により、自分の才能を開花させれない怒りと悲しみが込み上げる
俺が悲しみに暮れている最中、その男は現れた
「ブォォン イェア イェア ブッブォォォン!」
ぶぎ「!?」
うなぎ「ブッブン パシー ドゥンドゥ パシー ワキャワキャ」
こいつの名はおおうなぎ、港村ではその名を知らない者がいないほどのヒューマンビートボクサーだ
うなぎ「ワォ ワォ ワワワ ワォ ワォ ワワワ ドゥルルルルルルルル 」
村人A「ひゅー!見ろよあのヒューマンビートボックス!!」
村人B「つばが飛び散りまくってるぜー!」
ヒューマンビートボックス界の新生おおうなぎ、そんな男がつばを撒き散らせながら俺に近づいて来た…
つづく…
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